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2015.10.24

旧摺子発電所 - 湖上の発電所

摺子発電所の室内

廃墟の情報

摺子発電所
発電所廃墟
場所 奈良県
建設 1929
廃墟化 1965

旧摺子発電所 - 湖上の発電所

本日やってきたのは奈良県南部にある七色ダムが形成する七色貯水池という所。
日本屈指の秘境である大峰山脈、台高山脈に挟まれアクセスはとても大変。

上流にあたる池原ダムと並んでバスフィッシングの有名な所だが、ここに秘密のスポット旧摺子発電所(通称:湖上の発電所)と呼ばれる湖に沈んだ発電所の廃墟が存在する。

発電所周囲はフィッシングポイントであり、主にこの辺りの釣り人の中では有名だが、周囲を走る国道からは見えない為、ほとんどの人がこの存在を知らないだろう。

発電所は、太平洋戦争以前の日本における大手電力会社の宇治川電気株式会社(現:関西電力)によって昭和4~6年に建設されたもので、その後、七色ダム建設により1965年に水没。現在は七山ダムの名所となっている。

ドゥルルルル…

朝の寒涼しい風を身に受けながら我々は船を進める。2馬力のひ弱なエンジンボートの音だけが周囲に響き渡る。

まだ人が少ない朝の湖は鏡面世界。湖面に写るもう一つの世界に扮した深い水の中に、ふと気を抜けば吸い込まれそうな恐怖と緊張感があった。

写真に写ってるのは同行者の静岡夜景NIGHTWALK管理人の権蔵さん。夜景の友であり山友であり、廃墟の友でもある。

奥に見える発電所を見つけ会話が消え体が勝手にカメラを探している。

アクセルを握る僕の手も力が入り汗ばんできた。ふかしたい所だが焦りは禁物。

この手の小型エンジンは長時間高速回転するとすぐオーバーヒートしてしまうので、急ぎたい所をじっとスローで向かう。

我々が廃墟に向かうときはいつだって冒険なのだ。好奇心と恐怖心、ドキドキと胸が高鳴る。

今回の物件は陸続きにはなっていない完全に水没した建物となる為、レンタルボートを借りる必要があった。

七色貯水池にある摺子発電所に近いレンタルボート屋は2か所「レンタルボート&スロープ60」と「Ts-ON」。

今回我々がお世話になったのはTs-ONのほうで、Ts-ONから発電所までは約1.2km、時間にしてのんびり行って15分程度。

近くまで来るとスロットルを弱めた。

しばし2人共、無言のままシャッターを切り続ける…。

無音の世界にこの景色。ここはなんなんだ?迫力に圧倒されるというか、やはり湖に建物が沈みそのまま残っているという不思議さに感動する。

本当になんともいえない存在感を放っている。

インターネットで写真で見た印象とは違い、実際見てみると湖面から2階建てほどの高さはあるので近寄るとやっぱり大きい。

湖から顔をだしその腐食された質感の美しさや、水面下にうっすら見える下階部分のロマン。そしていまから侵入する期待と、無事帰れるのかという恐怖で、何とも言えない緊張感があった。

建物を一周し着岸。

エンジンボートは慣れているのですんなり横付けできた。

湖の水位がちょうどよく建物内の侵入がとても楽でした。

ロープはかろうじて結べる所があったのでボートをエイトノットで固定。

侵入したのは建物三階部分。2階、1階が水中でどうなっているのか考えるだけでゾクゾクとする。

潜れるものなら潜りたい。

とても不思議な空間。床のコンクリートは割れている部分もあって少し怖い。
窓の形がとても印象的。
場所によって窓の形が違う。統一性のなさはどういうことだろう。
湖は鏡面。

ボートが通れば波が立ち鏡面世界は崩れてしまう。

釣り人の多い土日、急いで写真をとる。

波があっても美しいですが、鏡面は特別美しい。

いがんでない綺麗な鏡面をずっと見ているとパラレルワールドに吸い込まれそうな感じがする。

腐食したコンクリート、建物内も苔や植物が生い茂って幻想的な雰囲気。
下は何か設置していた跡が。ここはなんの部屋やったんやろう。

大き目のボートが通り、一瞬にして鏡面世界とはおさらば。

長い時間まってみたけど一度崩れたらなかなか元には戻らないのね。

発電所、変電所などにある大きな穴。換気扇?タービン?

下へ下る階段。

同行者権蔵さんの渾身の一撃。

ただでさえ小型でグラグラなので、安心してカメラ構えるにはサイドフロートは欲しいなぁ~…。

僕も渾身の一撃。ボートぐらぐらでばり怖いw

このあたりで上流の方からエレキボートが一隻近づいてきました。最初は廃墟を見ながら通り過ぎるという感じでしたが、様子からしてほぼ発電所目的やろなぁというのは分かりましたが、話す事はなく帰りました。

10日後、僕がいつものようにお気に入りの廃墟サイトを眺めていると、「廃虚の中のおかると」という相互リンクして頂いてるサイトに湖上の発電所の記事が!

日程もにており記事中に「先客がいた…」との事で、まさかと思いメッセを送った所、そのサイトの管理人さんで間違いありませんでした。奇跡!

同じ京都で廃墟活動をされてるのですが、まだお会いした事が無かった為気づきませんでした。悔しい!

下にうっすら見えるこの下の階の様子。

こちらの窓から内部撮影。

奥の部屋はさきほど撮影していた部屋。水位高いときは高い時でこれまた魅力的。

水位低いと壁の黒い部分が多くでているのでこういう撮影した時ちょっと汚い画になってしまう。

ここはおそらく一階部分までの吹き抜け空間?
ぐるっとまわって裏側へ。なにやら船ごと入っていけそうな空間が。
スクリューが当たらないかと恐る恐る中へ入ってみる。船で建物に入るというのは不思議な気分。伊根の舟屋のような感覚だろうか。
小部屋があります。階段がありその奥に最初に入った広い部屋へと通じている。
神秘的な階段と窓。マヤカンを思い出した。建設が同時期なので、崩壊具合も似てくるのだろうか。
この壁の質感なんかはマヤカンそっくり。
横は謎の真っ黒の部屋。炭?なんの部屋?
奥の窓からは先ほどの水没の部屋を見下ろす事が出来る。
水中へ潜る階段。

名残惜しいですが、次の予定もあるので帰ります。

さようなら湖上の発電所。思ってたよりもずっと素敵な場所だったよ!

感想・まとめ

日本屈指の秘境、水没した建物、廃墟としてもいい年代物といった冒険心をかきたたされる魅力溢れる物件でした。

山奥の湖上というアクセス困難な立地というのは、冒険心を書き立たせるのに必要な条件であり、昭和4~6年建設の建築美とコンクリートの浸食された美しさ。そしてなにより、水没した建物という非現実的で神秘的な光景、下階層の見えない部分への興味。それらが組み合わされ、何とも言えない魅力がある廃墟でした。

ダム湖なので水位が著しく低下した際に、本来の姿を拝む事が出来ないかと思いましたが、この湖は一般の天気干ばつに左右されるダム湖とは違い、池原ダムの水位調整池なので、常に水位は±1.5mを保つのだそうです。

この発電所周囲は絶好の釣りスポットで、休日は釣りの方も発電所周囲に良く居られます。湖上でのボートのルールはもちろん、釣り人の邪魔にならないようマナーを守って鑑賞してください。また転覆事故も結構あるようですので、行かれる方は気を付けて下さい。

この発電所、実は発電所が綺麗というだけではなく、廃水道がこの裏側の山に眠っており、そちらもとても興味があり内部探検もしてみたいなぁと思ってます。

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