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2016.11.19

化女沼レジャーランド - 夢が詰まった魅惑の廃遊園地

化女沼レジャーランドの観覧車

廃墟の情報

化女沼レジャーランド
廃墟遊園地
場所 宮城県
建設 1979
廃墟化 2001

化女沼レジャーランド

 11月18日、化女沼レジャーランドのもしかしたら最後になるかもしれない見学会に参加する為、新幹線で仙台へ向かいました。

 当日の朝は仙台からレンタカーを借りて下道で約1時間半ほどで到着。9時半頃に入り口のアーチの前に行ってみると、見学会のための準備の方が車の交通整理をされていました。

 受付ではどこから来たのかと名前を書いて、園内のマップをいただきました。

 この門を見ただけでテンションが上がります。

 この化女沼レジャーランドは1978年に「化女沼保養ランド」として開業しました。社長の後藤孝幸さんが「東北一の人気観光地を作りたい」という夢を抱き、当時資産という資産を全て担保に出して七十七銀行から融資を受けようやく築き上げた自慢の遊園地でした。

 当時、日本各地で遊園地の事故が相次いでいた為、遊具の買い付けには優秀なものがあればアメリカにもヨーロッパでもどこでも行って信頼できるものを集めたといいます。

 最盛期には年間20万人が訪れる人気遊園地で、当時は行列ができる事もあったといいます。そんな化女沼レジャーランドもバブル崩壊によるレジャー不振によって来園者が激減し、2001年に閉園しました。

 以降15年間もの間、遊具は撤去されず廃墟と化しています。社長は自分のちからで遊園地を作ったという自負があり、また自分の足で集めた遊具に思い入れが強くあり「夢と一緒に遊園地を買ってくれる人が現れるまで壊さない」のだそうです。

 朝10時。受付さえすませば自由見学の開始。雨の予報やったので、早速雨がぱらついてきました。

 初めてこういう廃墟の見学会に参加するが、廃墟マニアと思わしき方々が続々と来園し、異様な雰囲気が立ち込めていました。

 こちらは化女沼お姫館。この遊園地の横には大きな化女沼という池があり、照夜姫伝説という地名の由来となった伝説が残っています。

 昔、沼のほとりに長者が住んでおり、美しい娘がいました。名前は照夜姫といい、いつも沼に来ていると、美しさに見とれた蛇が水面に集まるようになりました。ある秋のこと、ここを通った美男の旅人が、長者の館に泊まる事となりました。照夜姫とは相思相愛の仲になったが、やかて若者は旅を続ける為出ていく事になった。娘は別れを嘆き悲しんだといいます。

 ある日、娘は体に異変を感じ、しばらくして白い蛇を産みました。驚く姫をよそに生まれた蛇は長者の屋敷を出て行き沼の中に入っていきました。その後、毎晩のように泣き声が聞こえるようになり、姫は泣き声に誘われるように愛用していた機織りの道具を持って沼の中に身を投じたのだそうです。毎年、7月7日には沼の中から機織りの音がすると伝えられています。

 後藤社長はこの伝説を聞いてこのお姫館を建設して、おまいりをするようになったそうです。

 中には照夜姫の像が置かれていました。姫の慰霊として建てられたそうです。

 伝説をわかりやすいイラストにして紹介している部屋ですね。

 さらに進むと見えてきました。遊園地の中心部です。メインとなるのは観覧車やメリーゴーランドなど。一般的に遊園地と言われ思いつくような、昔ながらの遊園地ですね。やからこそ廃墟としては良いのかもしれません。

 園内は背丈ほどあろうかという草に覆われていました。

 メリーゴーランド。2009年には映画撮影の為、動くように整備がされたのだとか。

 現在は床はサビ、天井は剥がれてしまっている為、おそらく動くことはないでしょう。

 ユニコーン

 像の乗り物。

 楽しそうにはしゃぐ権田さん。

 ペンキが剥がれてしまっています。

 くるくると回る乗り物。なんていう乗り物なんだろう。

 そして有名なこの観覧車。小さめでカラフル。画になる可愛らしい観覧車です。この遊園地を象徴するものですね。

 2016年11月現在、日本に残っている廃遊園地はこの化女沼レジャーランドのみとなりました。奈良ドリは現在解体中ですが、奈良ドリの欠点は観覧車がなかった事やと思います。

 僕らの子供の頃には、こういったミニ遊園地が沢山ありました。レジャー事業とはとにかくお金のかかるとの事で、超大型のテーマパーク以外は次々につぶれていったといいます。

 遊園地は廃墟としてだけでなく、その周囲の原風景もとても美しいものです。というのも、化女沼にはガンやオオハクチョウなどの渡り鳥や珍しい鳥類が数多く飛来している為、ラムサール条約の登録湿地となっているのです。

 ところが、やってきた鳥が観覧車にぶつかったり、鳥が寄り付かなくなったそうで、抗議してくる野鳥マニアも居るのだとか…後藤社長は「何いってんだ!コレはおれの宝だ!」と突っぱねるそうですが、2015年の見学会では野鳥マニアが乱入しちょっとした騒ぎになったそうです。

 この美しい廃墟の姿に感動を受けた廃墟マニアの口コミは広がり、廃墟の聖地とも言われるようになり多くのTVで特集されたりもしました。

 廃墟の休日の最終回でも登場しましたね。

 小さいとばかり思っていましたが、直下に来ると結構な大きさなんですよね。見上げると迫力があります。

 真下から撮影。

 この観覧車は富永産業のもの。遊園地の遊具を作っている会社ですね。

 サビ具合がまたそそられます。

 さぁ、順番が回ってきましたよ…

 座ってみましょう。このまま実際動かされたらあの世に行ってしまいそう。

 定員は4名。

 社長さんは言う「あの時の子供の笑顔が忘れられない…」

 観覧車の麓で置き去りにされた機関車の乗り物。

 さびさびのコーヒーカップ。遊園地デートといえばコーヒーカップ…というイメージ。ボロボロに錆びていますが実はまだ動きます。

 子供がはしゃいでいる、カップルが微笑んでいる、男同士で調子のって回転数を上げて馬鹿騒ぎしている、そんな風景が目を瞑れば浮かび上がりました。

 遊具の中でコーヒーカップが一番風化がきつかったかも。鉄製ですからね。

 散策していると、ボッコーン!と皆が振り返るような大きな音がしました。鉄板が変形してるんですね。

 草に覆われたアスレチック

 木製なので崩れてる箇所もあります。

 足を載せたら割れ落ちそう。

 化女沼パークホテル。普段は施錠されており、警備されている建物ですが、見学会の今日はこの建物で社長さんの挨拶がありました。

 トーク中の後藤社長さん(左)と主催者のよごれんさん。開場には多くの人が集まり、社長さんのご挨拶自体は20分ほどで終了したのですが、その後質問や売り状況などの説明、購入希望者の一人が登場するなど集まりは1時間ほど続きました。

 後藤さんの半生についてや、なぜレジャー事業に手をつけたのかという経緯、七十七銀行の頭取に融資してくれとお願いした事、開園までの準備は本当に大変だった事、ゴダイゴの野外ライブを行った時の事、閉園後温泉を掘って復興を試みた事などなど。時には冗談で笑いを誘ったりとても楽しい1時間でした。

 温泉も掘ったし再建を狙いたい所ですが、お世話になった銀行の頭取が亡くなった事や、自分の体の老いにはどうしても勝てないので、土地は売る事にしたそうです。

 値段についてはテレビ局が勝手に"5億"と言ってしまったそうです。なんでも奈良ドリームランドが約10億で競売に欠けられていたため、その半額くらいだろうと勝手に報道したのだそうです。後藤社長は「もっと高く売ろうと思ったのに…」と冗談まじり?に言っておられました。

 また、よごれんさんがNHKへの投稿をした事をきっかけに、後藤社長さんと化女沼レジャーランドが全国のテレビに何度か出演しており、出演した事についてとても嬉しそうに話しておられました。

 そこで廃墟マニアのよごれんさんと後藤社長に繋がりが出来て、今回こういった見学会が開催されたという事になります。廃墟マニアが廃墟の所有者に信頼されるというのはすごい事ですよね。よごれんさん、チーム酷道の皆さん素敵な企画ありがとうございました。

 集まりが終わると、最後に普段は公開されてないホテルの中を見学させていただきました。

 バーですね。

 女子風呂の更衣室。

 浴槽。管理されてるだけあってまだ使えそうですね。

 客室も状態はとても良い。

 外は紅葉と化女沼が綺麗に見えましたが、残念ながら大粒の雨がふっています。

 余興場

 受付にあった化女沼レジャーランドのパンフレット。

 そして、雨も強くなってきたので、残念ですが化女沼レジャーランドを後にする事に。

感想・まとめ

 今回は11月19日に開催されたチーム酷道さんが開催された化女沼レジャーランドの一般公開に参加してきました。普段は立入禁止の看板がたち、施錠も機械警備もされており、さらに地元警察の警らも定期的に行われているそうで、もう行けないのかなぁなんて考えていたら、いいタイミングでした。

 10時に見学開始され、続々と入ってくる人の中で、普通の人もいれば明らかに様子のおかしい、絶対廃墟マニアやんって感じの人も多くみえてました。今回の見学会で廃墟マニアが続々と集まると園内が異様な雰囲気に包まれたのが感覚で分かりました。黙々と一人で遊具の写真を撮影する女性、黒いマスクの集団、何者なんやろう…とそわそわです。

 今年中で最も高い値段を掲示した方に売ってしまうという情報もありますが、今のまま所有していても86歳の社長さんの体力ではどうにも出来ないとの事で、固定資産税やらもかかりますしね。早く売れて社長さんが元気なうちに、元気な土地に復活してほしいと感じました。

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