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2015.02.11

近鉄・旧東青山駅と廃トンネルを巡る(列車衝突事故)

旧東青山駅

廃墟の情報

旧東青山駅
廃駅・廃隧道
場所 三重県
開校 1930
廃墟化 1972

近鉄・旧東青山駅と廃トンネルを散策



 ここは近鉄 東青山駅。歩いて20分ほどにある集落・垣内地区の人々が乗り降りするほかは特に何もない四季の里という大きな公園があるのみの長閑な田舎駅。

 実はここ、昭和46年10月25日に近鉄の特急同士(近鉄難波・京都行き特急と近鉄名古屋行き特急)が正面衝突し、死者25名 負傷者227名という大事故が起こった現場なのです。

 当時は現東青山駅とは違う場所に東青山駅があり、トンネルも旧道を通って榊原温泉駅へと向かっていた。

 現在は新しい複線用トンネルを通り近鉄は大阪~名古屋を毎日行き来している傍ら、複線化以来使用されなくなった廃駅と廃隧道が今もこの公園の敷地内に眠っているのです。


 まずは廃駅の方から向かいます。公園の高台に登りわだちのできた道に出る。この一本の道はもともと線路があった場所でトンネルへと続く道。もちろん立ち入り禁止区域ですが、ヘルメット・マスク、作業用長靴装備で自己責任で入っていきます。


 トンネルまではそこそこ距離があります。途中にはこのような線路の枕木の破片と思われるものが放置されていたりする。

 公園から10分?程度歩くと一つ目のトンネルが現れます。旧二川トンネルです。

 柵は壊されており中へは問題なく入れる状態になっています。

 長さは799.2m、大村川上流のP221直下付近まで緩やかなカーブを描きその先の谷に抜けます。

 入り口から出口は見えずトンネル真ん中は真っ暗で一切の光がない為、ライトの明かりを頼りに歩きます。声がよく響き、共鳴するように「ドゥゥゥウーーーー」「ボワンボワンボワン」という聞いた事もないような低く鈍い音が重なるようにトンネル内に響き渡ります。

 長いこと人や物の交通がないので空気の行き来がなくトンネル中部は若干だが息が苦しい。過去にここを列車が暴走したとはとても思えないほど静謐な雰囲気。


 こちらは二川隧道西側出口。普通にノンビリ散策しながら歩いて14分でした。こういうのを本当の暗黒というのかと思うほど真っ暗でした。

 ハイキングコース(現在通行止め)と交差しており休憩場所が設けられている。奥に見えるトンネルが二本目のトンネル溝口トンネル(931.1m)。

 こちらは本日歩いた中では最長の約1キロ。普通に歩いて通りぬけるまで15分かかりました。こちらも緩いカーブになっているのですが、はるか向こうに出口の光が見えたとき、あんなに遠くの光なのにまぶしい!と感じてしまうほど真っ暗でした。出口の光と人のシルエットと薄暗く見えるトンネルの壁がとても綺麗で神秘的で感動しました。

 やっとトンネルを抜けたと思ったらまた次のトンネルが現れます。滝谷トンネル(726.8m)です。こちらはほぼ直線のトンネルとなっており、暗闇になれた肉眼であればはるか向こうに出口の光が薄らですが見えます。

 普通に歩いて約12分ほどでした。これで3本のトンネルを通り終わり、トンネル通過にかかった時間は休憩を除いて普通のペースで歩いて約41分ほどでした。

 そしてトンネルを出るとこのような谷に出てきます。おや?何やら人口建築物らしきものがあります。

 ここが旧東青山駅です。ホームだけが現在も残されており来ることのない列車を待ち続けています。

 ホームから見る滝谷トンネル。

 このように残っているのに今は休日でさえ人の来ることない秘境となってしまっています。

 今にもトンネルから列車がやってきそうな雰囲気です。

 旧東青山駅で列車を待つ田村。

 旧東青山駅で何かを悟り太陽、そして森の精たちに感謝を奉げる弟。

 ここを昭和50年まで普通に電車が停車・通過していたとは信じがたいですが、今となってはこのような姿になっているんですね。

 途中で途切れたホーム。下は木でできた柱が支えている。ホームは真ん中に水路を通す為に一部壊されています。

 ところで垣内の街まで30分近く歩かなければならないのになぜこんな所に駅が作られたのでしょう…。近くに何があるというわけではなく、本当に何もない谷という感じです。

 こちらが反対ホーム。下り線?登り線?どちらかでしょう。せめて駅の看板でも残っててほしかったなぁ。

 ホームを西に進むと用水路にかかった線路用の橋が残っていました。

 こういうタイルが本当にここはホームやったんやなぁと感じさせられます。

 ホームの端には売店跡が今も残っています。倒壊しておりなんのこっちゃ分からん姿になっています。

 ホームを西に進むと用水路にかかった線路用の橋が残っていました。

 それをさらに進むと布引山地・青山峠を越え西青山駅へと向かう「旧青山トンネル」が姿を現します。全長3432m。廃トンネルとしては日本でも最長規模のトンネルではないでしょうか。こちらは1㎞ほど?歩いた地点で枕木部分を見たかったので見て時間も勿体ないので撤退。ちなみにトンネル抜けた地点は乗馬クラブがあり私有地なので通行できません。徒歩でトンネルを抜けるには先ほどのトンネル通過時間から計算すると約60分(一時間)かかるようです。往復で2時間…いやが応でもこのトンネルを戻って帰らなければなりません。往復7kmもトンネルの中を歩くのはさすがにキツイので…。7㎞とかもう恵那山トンネルレベルやん。車でも長く感じるのにw

 駅の横を通っている林道からホームを眺める。

 駅から東青山駅へ帰ります。国道を回り旧街道などを観光がてら歩きながらのんびり帰ります。駅までの道はこんな感じ。車も通れないのでいかにアクセスしにくい駅なのか分かります。

 横には滝が見えています。水がエメラルドでとても綺麗。

 ここから国道へむかいます。初瀬海道の旧道です。

 下っていくと集落が現れます。家は最近建築されたと思われる綺麗な家から昔ながらの家など様々。しかしどの家もこのように油屋など意味深そうな看板が設置されています。こちらは油屋。なんかやったはんのかな?なんて思ったが普通の一軒家やったりするのでますます不思議。

 これがかめや…?遠くを歩いていた老夫婦と子供たちに追いついた際に老夫婦にこの看板の事を尋ねるとなんとこれは宿場町時代の家々の屋号や店の種類だったそうです。あめ屋(飴屋)、油屋(燈火の油売り)、かじや(農作業具売り)、風呂屋(銭湯)はお店の種類。大和屋、いろは屋などは宿の名前やったと思われます。ご先祖様がこの土地でご活躍された事に誇りをもっているからこそこのように代々残そうという取組がされたのでしょう。

 集落の入り口にそれらをまとめた看板がありました。

 ぐるーっと歩き、東青山駅へ戻ってきました。最後に事故現場、総谷トンネルを歩きます。看板は以前はトンネル方面もあったんですが何者かに破壊されているようです。

 現在は横を新惣谷(そうや)トンネルが開通しており、特急がバンバン通過しています。そしてその横にありました。ひっそりと佇む旧総谷トンネル(300m)です。

 このトンネル入り口付近に暴走した上本町発名古屋行特急12200系・12000系4両編成が垣内東信号所の安全側線を120km/h以上で突破し脱線転覆、三両目から後ろはトンネル付近の壁に衝突し止まったが、1,2両目はトンネル内へ突入し、対向を走っていた賢島発京都・難波行き特急電車(12200系・10100系・18200系7両編成)と正面衝突。死者25名、負傷者227人という大事故が起こってしまったのである。そのほか事故に関しての詳細は「青山トンネル 事故」と検索していただいたら出てきます。

 トンネルの側壁には今も列車が衝突した傷が生々しく残っている。トンネルは軽いカーブを描いており、出口が見えないが300mほどしかない為、少し歩くと反対側出口がすぐ見えてくる。

 三両目がぶつかり停車したとされる部分。

 ちかくには65と書かれた近鉄列車用の速度標識がありました。

 今では何もなかったかのようにこれらのトンネルの横を最高速で特急が通過しています。今でこそ複線となり安全に行き来しているが、過去にここで凄惨な事故があった事を忘れてはいけません。(写真:東青山駅を通過する伊勢志摩ライナー)

 昔、その話を聞いてから頭に焼き付いていた僕は東青山駅に停車・通過した際にはいつも事故の事を思い出していました。やっと事故現場や周辺の旧トンネルを見て回れてよかったです。(写真:大和八木駅を行き来する22600系ノーマルと50000系しまかぜ)

 実際事故が起こったのはこのタイプの車両でしょうか。

感想・まとめ

国土地理院地図のページで航空写真の1984年~1978年に設定すると、現東青山駅が工事中で旧東青山駅に電車が停車してる様子や、旧二川トンネル手前の旧線を走っている近鉄電車を見ることができます。

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